川田一高 2022年度最新作 BM-Ⅰ ブーシェモデル (1960年製作 セール No.71) 表板レッドシダー オマージュ 試奏動画 クラシックギター

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商品情報

ロベール・ブーシェ作 1960年 No.71の再現モデルに加えトラベルスバーを延長し、しかも今回初めて
表板にレッドシダーを使用。当オークションでのみ紹介の楽器です。



以前紹介させて頂きました、No,71、 No,150、並びにRFモデルは、皆様に喜んで頂く事が出来
本当に感謝いたします。

今回、再び1960年作 No.71のギターを故稲垣稔氏ゆかりの楽器、そしてブーシェオマージュとして紹介する事が出来嬉しく思います。



ここで今までの出品作について振り返ってみたいと思います。

去年の2月から今年の6月までに20本余りのブーシェモデルを出品して参りましたが、その全てのモデルにおいて
100%の非常に良い、との評価を頂いています。
中には評価欄にコメントを残してくださった方々がいらっしゃいますので紹介いたします。


BM-Ⅰ No,71

・ 音の伸び(余韻)や和音のバランスが素晴らしく、とてもいいギターだと思います。ギターを弾くことがより楽しくなりました。
どうもありがとうございます。また機会がありましたら、よろしくお願いいたします。


・ 無事に届きました。早速調弦し音出しをしてみましたが、音の伸びと広がりがすばらしい個体です。
弾き込んでいくのが楽しみです。良い楽器をありがとうございました。


BM-Ⅰ No,150

・ ありがとうございました。一時間ほどしか弾いていませんが、どんどん音が変わってきます。
HM-IIとはまた違った音色を楽しめそうです。とても良い取引ができました。また機会がありましたら、よろしくお願いいたします

・ 本当に良い取り引きが出来感謝致します。今まで色んなブーシェモデルを弾いてみましたが、
このギターはブーシェの持つダークな闇の部分まで再現されており、引き込んでいくのが楽しみです。ありがとうございました!

・ 本当にありがとうございました。素晴らしいギターです。妻に「アルハンブラ宮殿の想い出」を聴かせたら、
感激のあまり泣いてしまいました。末永く愛用させていただきます。



BM-Ⅱ No,150

・ 凄いギターですね。動画で見た稲垣さんのギターに近い音がします。本当によい買い物しました。今後とも宜しくお願いします。

・ 見事な作品、無事に受け取りました。事前の説明で想像を膨らませておりましたが期待を遥かに上回る音の立ち上がりとサスティーンが
素晴らしいギターでした。この先、愛情を注ぎしっかりと育てていく所存です。この度は本当に良いお取引きを賜り誠にありがとうございました。



BM-Ⅲ No,71

・ この度はありがとうございました。この素晴らしい楽器をさらに育てられるかは自分次第ですね。今後ともよろしくお願いします。



BM-Ⅲ No,150

・ 受け取って開けると良いニスの香りがしました。作品は、非常に丁寧で端正な作りです。弾きやすく、音の立ち上がり、持続性は思った以上です。
今後、もっと良いものに育てようと思います。良い楽器をありがとうございました。



これらのコメントは評価欄に公開されているものですが、その他取引ナビにも嬉しいコメントを沢山いただき、
又、順調に育っているとの経過報告等も寄せて頂いています。


オークションを通して多くの方と直接触れ合う事で新たな出会いがあり、充実した製作活動に携わる事が出来本当に感謝いたします。
今回出品の楽器も今まで通り心を込めて製作致しました。きっと皆様に喜んでいただけると思っています。






ロベール・ブーシェの音作り



ロベール・ブーシェの生涯における音作りの変遷は、1期から4期に分けられ、

(ロベール・ブーシェ年譜より引用)

1期 トーレスシステム 表面板の厚み約1.5mm 1946年~52年 N0,1~No,25

2期 トーレスシステム 表面板の厚み約2.2mm 1952年~57年 No,26~No,55

3期 オリジナルの音作り 5本バスパー 駒下トラベルスバー 1957年~78年 No,56~No,149

4期 7本バスパー. 駒下トラベルスバー 1979年~83年 No,150~No,153 No,154は遺作となる。


今回紹介のギターは3期に相当する楽器で、5本バスパー、駒下トラベルスバー。

4期の7本バスパー 駒下トラベルスバーと比較すると鳴らし易さを実感出来ます。



劇的な鳴りの変化


この駒下トラベルスバーが楽器の鳴りに劇的な変化をもたらしています。

がっしりとした骨格を持つ粘りのある重低音に、キリッと引き締まった峻険なる厳しさを持つ高音は
正に比類のないものです。しかも甘く柔らかな音も自在に。

低音はより重厚に、高音はより煌びやかに、音の伸びはより長く!!






1994年11月、劇的な出会い、それが稲垣稔氏とブーシェギターでした。


地元高知のギターグループで稲垣氏を招聘し、四国四県での稲垣稔ギターリサイタルを企画した折、
稲垣氏と共に高知、香川、徳島と案内し、愛媛で主催して下さった坂本(仮名)先生宅でギターコレクションを
見せて頂いた時の事でした。

松山のギター愛好家達も集まる中、稲垣氏自らハウザー1世、フレタ1世、アグアド、そしてブーシェ。

それぞれを目前で試奏してくれたのですが、ハウザー、フレタ、アグアド、何れも選りすぐられた超一級の
銘器揃いで、稲垣氏も試奏する毎に感嘆されていましたが、ブーシェを試奏された時でした。


試奏しながら「いいですね!! これは良い!!」を連発しながら弾いておられました。


私にとって初めて体験する生のブーシェギターの鳴り方は、正に衝撃的なものでした。


パリ留学時代、プレスティ・ラゴヤとしてブーシェギターで幾多の名演奏を残されたラゴヤ教授に師事し、
又、ブーシェとの親交を通してブーシェギターの本質を熟知している唯一の真のギタリスト稲垣氏の
手によって紡ぎ出される音は、ギターの音とは思えないような次元の違う息の長い歌いまわしで、
まるで人の声で歌っているようなフレーズを次々と紡ぎ出すのを目の当たりにして、これが本当に
ギターの音なのかと耳を疑ってしまいました。


ブーシェと比較すると、ハウザー1世、フレタ1世、アグアドは紛れも無く何れも超一級の銘器揃いで、
素晴らしい楽器でしたが、それらの楽器とは次元の違う楽器に感じました。



稲垣氏は、すっかりこのブーシェが気に入ってしまい、坂本先生に「是非この楽器をコンサートで使わせて欲しい」
とまで言っていたのですが、結局実現することなく、今となっては適わぬ事となってしまいました。
(その時の懐かしい写真を掲載させていただきました。)


その一ヶ月後、あまりにも今までのギターの概念とかけ離れたブーシェギターの本質を知りたいとの一心で再び坂本先生宅を訪れ、
ご好意によりブーシェギターを拝見させて頂き、1960年作 NO,71 の詳細なデータを得ることが出来、ブーシェの音作りへの、
大胆な対処の仕方を体験することで、自分独自のギター製作を追求する事の重要性を大いに啓発される機会となりました。



あれから本当に早いもので27年もの歳月が流れましたが、夭逝された真のギタリスト稲垣稔氏の手によって始めて知ることが
出来たブーシェギターの稀な特質、そして幸福な出会いであった、ブーシェオリジナルギター 1960年作 NO.71の魅力の程を
可能な限りの再現を思い立ち、それに加えて新たな試みも盛り込み、ここに紹介させて頂く機会を得ることが出来た事を本当に嬉しく思っています。


坂本先生は現在もこの楽器だけを手元に残して愛奏しておられ、特別な楽器だとの思いが伝わって来、改めて楽器との出会い、
関わった人との縁、様々な思いがこの一本の楽器に秘められているのを知ることが出来、感無量でした。

これからも、この楽器が末永く後世に渡って受け継がれ、素晴らしい音を響かせ続ける事が出来るようにと願って止みません。






ギタリストによる試奏


今回も前回同様に、出品作の音を聴いて頂ける様にと、3人のギタリストに演奏を依頼致しました。

さて、その奏者ですが、日本は勿論の事、世界的に活躍する我が土佐が誇るギタリスト、元いちむじんの宇高靖人、
山下俊輔に加え、松田弦の3氏に出品作を演奏して頂きます。


音も出来る限り色付けの無い音録りをお願いしてありますので判断材料になるのではと思います。
再生する機器によって聴こえ方は変わってくると思いますが、将来への可能性を感じて頂ける一助となれば幸いです。



今回出品のNo,71の楽器は、松田弦氏の演奏でお聴きいただきます。



松田弦プロフィール

高知県出身。16才からクラシックギターを始める。早稲田大学卒業。

2011年から2年間フランスのストラスブール音楽院に学んだ後、オーストリア、イタリア、スペインで研鑽を積む。
アリカンテ大学(スペイン)主催のマスター修士課程修了。
これまでに、松居孝行、村治昇、新井伴典、今村泰典、アレクシスムズラキス各氏等に師事。

2009年東京国際ギターコンクール第1位、2013年アントニー国際ギターコンクール(フランス)第1位
(あわせて課題曲賞と聴衆賞を獲得)をはじめ、2000年~2013年の間に国内外8つのコンクールで第1位受賞。

これまでに、日本各地のみならず、オーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、タイ、
フィリピンなどでもリサイタルを行う。

近年では、文化庁主催の学校への芸術家派遣事業等にも参加し、子どもたちにクラシック音楽の魅力を
伝える活動も熱心に行っている。

「GENIUS」「弦想~Gen-Soul~」「esperanza」「Evergreen」の4枚のソロCDがあり、
後者3枚は『レコード芸術』誌にて特選盤の評価を受けている。

他に、新井伴典氏とのデュオで「夏の列島」「ジャックイベール作品集」「エンリケグラナドス スペイン舞曲集」、
フルートの泉真由とのデュオで「海へ」、「リベルテ」(2020年)、ヴァイオリンの澤菜穂子とのデュオで
「夢弦」のCDもある。

WEBサイト


それでは今回の奏者、松田弦氏による、No,71の演奏をお聴き下さ

S.L.Weiss Prelude from London Suite No.1.








試奏のコメントを頂きました。


これまでも新作を弾かせていただいてますが、いつも素晴らしいです。
この楽器は特に低音の芯のある音色とサスティーンが素晴らしく、この楽器の良さが出る選曲にしました。
多彩な音色も出しやすいです。




ブーシェが自分自身の楽器について語った言葉ですが、

「人の命は短いが、私のギターはヴァイオリンのストラディバリウスのように300年のちまで美しく鳴り響くことでしょう。」


伝統的なな手法で、しかもしっかりと剛性を持たせて製作されたギターは、数年、あるいは数十年弾き込んだ後に本来の持ち味が
発揮される様になるのですが、ブーシェオリジナルギターは更に300年という時間軸の流れの中で、時間かけてを弾き込む事で
楽器が熟成され、音の魅力を衰えることなく保ち続けることが出来るという、先を見据えての言葉だったのではと推察されます。

最近では新しい手法によって作られた、音量豊かな楽器が重用される様になりましたが、ブーシェオリジナルギター特有の鋼のような強靭な
音密度を持った楽器のほうが他の楽器の音に埋もれることもなく、より遠くまで音を送り届ける事が出来るという事も周知の事実です。

さらに特筆すべき事は音の伸びです。擦弦楽器や人の声のように音が伸びるギターが他にあるのでしょうか。
これはオリジナルブーシェギターだけが持つ特性であり、他のあまたある銘器と比較しても、ギターとは思えない、
次元の違う音の伸び、鳴り方に驚かされます。

正に唯一無二、孤高の存在感を持った楽器だと言えるのではないでしょうか。



プレスティ、ラゴヤの演奏


セゴビアをして、最高のギターデュオとまで言わしめたプレスティ、ラゴヤの、今回紹介した楽器と同じ3期の5本バーの
オリジナルブーシェギターを使用しての演奏記録からブーシェギターと正に一心同体とも言える演奏表現を行っていた感動すべき演奏を
以下で聴くことができます。

ラゴヤは今回紹介のNo,71の一年前の年の1959年にデュオの為にブーシェギターを購入。
プレスティとラゴヤはブーシェギターの最大の理解者でしたし最高の演奏家でした。
ブーシェオリジナルギターでしか聴くことの出来ない密度の高い芯のあるロングトーンをお確かめ下さい。

アルビノーニ アダージョ





がっしりとした骨格で、しかも気品高い低音を味わって見てください。

マルチェッロ アダージョ





そしてラゴヤがデュオの為に1959年にブーシェギターを手にした後の1960年代の演奏で、
キリッと締まった高音や音の伸びをお聴き下さい。

グラナドス オリエンタル






生涯に154本


ブーシェは生涯を通して製作本数150本余りの寡作ゆえに、今や一般のギター愛好家が手にする事が出来るような楽器ではなくなり、実際に
コンサートでの演奏を聴いたりする事も難しく、ブーシェギターの生の音を聴くことが能な時代なったのではと思われます。


これからは益々ブーシェギターの音を聴く機会は過去の物となって行くのではと思えてなりませんし、ブーシェギターの本質を
理解して音楽表現にまで高めることの出来る演奏家が出てくる事は本当に難しい時代になったのではと思えてなりません。


この様な時代であればこそ、このギターを通してブーシェオリジナルギターの持つ魅力の程を、万分の一でも感じて頂ければ幸いです。

製作にあたり、音以外にも忠実な再現を試み、表板厚,力木厚 形状、駒下トラベルスバー高さ、形状、ライニング、力木受け形状 材質、
駒 形状 ヘッド、ネック厚形状、バインディング形状等、細部に渡り可能な限りの再現を試みています。口輪に関してはイメージです。


前回+αとして紹介していました、トラベルスバーの両端がライニング内に収納されるという方法を採用。
その結果、トラベルスバーが表板全面のテンションをしっかりと確保し、より一層の音の伸びを実現しています。


今回は表板、力木類はすべてレッドシダーを使用しています。ブーシェにも使用例はあるみたいですが、いまだ現物は見ることが
叶わずにおります。
スプルスの楽器とはまた違った音のたたずまいを楽しむことができます。
松田弦氏の演奏を参考になさって下さい。


ブーシェオリジナルギター 1960年作 No.71の仕様は表板スプルス、横裏ハカランダーですが、本作はレッドシダー
インディアンローズウッドの仕様です。


仕様

表 スプルス 横裏 インディアンローズウッド ネック セドロ 指板 黒檀(R付き) 駒 マダガスカルローズウッド

ヘッドプレート マダガスカルローズウッド 塗装 オールセラック

弦長 650mm 指板幅 52mm 弦幅 ナット 42mm サドル 56mm 弦高 12フレット 1弦 3mm 6弦 4mm

糸巻 ゴトー 35AR1800 総重量 1,511g 弦 低音 オーガスチン赤 高音 ハナバッハ黒

サドル余裕 1弦 2,2mm 6弦 3,2mm

価格



送料無料 ケース付き。

本作は川田一高の最新作です。


落札された後も、メンテナンスは私、川田一高が責任を持って行いますので安心してご入札下さい。

本作を通してブーシェギターの持つ魅力の程を実感して頂く為の一助となれば幸いです。

是非とも、ご自分の手でこの楽器を育ててみたいと思われる方のご入札を、心よりお待ち致しております。


ただ、新規の方や評価がマイナスの方の入札はご遠慮下さいます様お願い致します。

又、質問欄への不適切な質問には返答致しかねます。


最後までお読みいただき有難うございました。

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